OAM 新イベントは”探検"。

 小名浜の土着プロジェクトと称される当OAM(小名浜アート盛りつける)は、2011年7月発足以来、これまでに独自の視点のイベントを開催してきました。

 すさまじいスピードで変わりゆく景観を、忘却しないようにと開催した『小名浜の景観をスケッチにでかけよう写生会』。それから、すでに忘却されてしまっていた小名浜の商業施設の記憶を呼び覚ますイベント『小名浜ショッピングセンターと小名浜名店街を語ろう会』。

 

 そして今回、新しいイベントを開催いたします。イベント内容は、”探検”です。

 

 町を歩いていると、ふと不思議なものに出くわすことがあります。例えばこんなものが。

 


 この2本の鉄の棒は、今では錆まみれになり、もはや元々が何だったのかわかりません。形は消火栓の様でもありますが、それももはや定かではありません。この鉄の棒が、本来の役目を終えてから一体どれだけの時が流れたのでしょう。『なにもの』でもなくなってから、この2本はずっとここに在り続けています。

 

 僕たちはこの『なにものでもなくなってもそこに在るもの』の存在を、特に気にする事もなく、日々を過ごしています。すると、この『なにものでもないもの』とは一体『なに』としてそこに存在しているのか、と考えてしまいます。

 

 そこで僕たちは、このように小名浜の町に存在しているものを『取り残されたもの』として再定義して見る事によって、この『なにものでもないもの』に新たな存在価値を吹き込めるのかも知れません。それはときにアート作品のように僕たちに何かを問いかけてくるのかも知れません。

 

 こんなものもあります。


 これはこの場所の危険を示す看板なのですが、風化し、文字も絵の一部も消えてしまい、本来の役割を果たしていない『なにものでのないもの』です。

 しかしこの絵は、声にならない声を、見るものに伝えようとしているように見えます。声を出しているのだけど届かない。それでもこの絵はここでずっとこうしているのです。雨の日も晴れの日も、朝も昼も夜も。

 

 『なにものでもないもの』はものだけではなく『場所』も存在します。


 ここは小名浜某所にある公園なのですが、ご覧の通り草がぼうぼうで遊具も枯れ草に埋まっています。地面全体が草に覆われ、遊具で遊ぶ事はおろか、公園に足を踏み入れる事すら困難です。誰にも手入れされることもなく、この公園はそこにずっとあるのです。

 見た感じ、震災云々関係無しに、それ以前から放置されているように見受けられるぼうぼう具合でした。

 

 だれも遊べない公園。だれもこない公園。なぞなぞみたいな公園なのです。

 

 このようなものたちを、僕は『re-mains(リメインズ)』と呼びました。超芸術トマソンとほぼ同義語であり、造語です。

 remeinは「残る」という意味。reとmainをハイフンで分け、『再』と『主』。『主』とはもともとの存在意義。『re』は、それを再定義する。という意味付けです。

 

 このように、存在意義が崩壊しているモノや場所を、童心に返り、チャリンコで探しまわる、というのが今回のイベントになります。町に存在するリメインズを探しに出かけましょう!

 

 


イベント情報

 本イベントは、今秋に開催を予定している小名浜本町通り芸術祭のプログラムとして開催されます。今回のイベントで見つけたリメインズで、一冊の写真集を作ることを目標としております。そのため、参加者の方は、カメラをご持参ください。iPhoneでも構いません。

 

 また、これまでのアナウンスでは、参加費は無料としておりましたが、写真集をつくる費用と運営費として、お一人様500円の参加費をちょうだいさせていただきたいと思います。何卒ご理解くださいませ。

 

 なお、基本的に『探す』という趣旨のため、行き先が決まっているツアーではありませんので、重ねてご理解くださいますようよろしくお願い致します。


EVENT INFO

小名浜探検シリーズ 〜小名浜秘境探しチャリツアー〜

 

日時:2013年5月19日(日)

集合時間:午前9時

解散時間:午後4時くらいの予定

集合場所:UDOK.(小名浜本町29-2 )

参加費:500円

自転車、カメラをご持参ください。

 

主催:OAM 小名浜アート盛りつける

協力:UDOK.

問合せ:ichinosuket☆gmail.com(担当:たかぎ)

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